旭食肉協同組合

生産者インタビュー

Okano Farm
岡野農場

生産者:岡野 聡さん
農場所在地:千葉県旭市倉橋

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岡野農場について教えて下さい。

旭市倉橋にある農場で3名で運営しています。年間出荷はおよそ3,000頭です。 岡野農場は始まりが詳細に分からないほど歴史があるのですが、大体昭和の初めごろだと言われています。 農場だけでなく卸売や、農場から車で5分のところにある直売所も運営しています。直売所も戦前からやっているお店です。 僕は5代目で、大学卒業後に後を継ぎました。

どのような経緯で岡野農場を継がれたのですか?

最初はそんなにやる気があったわけではないのですが、そっちに行くなら支援すると言われ、4年制の畜産大学に進学しました。 大学では遺伝の勉強をしていました。品種改良など。当時は豚ではなくニワトリを研究していて、卒業論文では犬について書きましたね。 大学卒業後は、肉の販売からはじめ畜産を経験していきました。

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岡野農場5代目 岡野 聡さん

これまで養豚場を営まれて大変だった思うことはありますか?

このあたりはやはり台風ですね。毎年のように来るので、影響は大きいです。台風が来ると農場の屋根が飛んでしまうことなどもあります。あとは、最近はだいぶ良くなりましたが、豚の病気ですね。慢性的な病気であるサーコウイルスというものがあります。ワクチンができてからは落ち着きましたが、それまでは死亡率が2〜3割ほどあるものでした。ワクチンがあればその病気は防げるのですが、他の病気もあるので常に戦いです。

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豚舎の外観

そういった苦難はどうやって乗り越えられましたか?

病気であれば、専門家に聞いてワクチンメーカーを探します。台風のときは建物はみんな壊れてるので仕方なく修理の順番待ちをしてましたね。周辺の農場さんと「うちはこれくらい被害があった」なんて話をして、それが支えにもなりました。

一番印象的だったエピソードを教えてください。

前千葉県知事である堂本さんが農場視察に来たことがあります。 初めてご連絡があったとき僕は不在で、店舗のスタッフさんが電話に出たのですが、県知事だと気づかず不在を伝えて電話を切ってしまったんです。後日あちらからお電話があり、当時の千葉県知事の堂本さんであることがわかりました。千葉県の幕張であったイベントで食べた「いも豚」が美味しかったそうなんです。そこで生産者を調べたらうちに辿り着いたみたいです。普通は畜産課や市役所を通して連絡が来ると思うのですが、直接のご連絡で驚きました。 後日実際に農場見学にいらっしゃいました。その頃から「千産千消」(千葉県で生産される農畜・水産物を千葉県内で消費しようという取り組み)を知事が推進し始めました。これをきっかけに千葉県のイベントなどで「いも豚」を置いてもらえるようになっていきました。

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前千葉県知事堂本氏農場視察の様子

岡野農場の強みは何だと思われますか?

家族でやっていることですかね。販売の方に妻と母がいます。特にお肉の味について率直な感想をくれるのは助かっています。豚なので全部同じ味にするのは難しい。それを毎回教えてくれます。厳しいチェックですが、美味しい豚肉の生産につながっていると思います。

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豚舎横に設置された飼料用サイロ

美味しい豚肉を作るために工夫していることはありますか?

常に新しいものを探して試しています。餌もそうですが、いも豚以外の餌は自由なので、工夫してみたりしています。あとは、人の意見をよく聞くようにしています。

農場を運営されていて、どのような時にやりがいを感じますか?

やっぱり「美味しかった」といってもらえることですかね。お店にきたお客さんから直接いってもらえるとうれしいです。直売店でお会いしたら、調理方法や料理に合わせた肉の切り方なんかもおすすめしています。直売店には毎日顔を出してますね。リピーターで来てくれる方も多いです。

旭食肉協同組合の組合員同士での交流はありますか?

農場の運営に関して情報交換をしています。プライベートでも飲みに行くような仲です。親の世代から一緒の方もいるのですが、幼少期は知らず直接的には組合の取締役となってから出会いました。組合の皆さんからいただく意見は自分と見る角度が違うので、そういった意見も大切にしています。

最後に消費者の皆さんへメッセージをお願いします。

大切に育ててますので、ぜひ味わっていただきたいと思います。

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周囲に田畑が広がる岡野農場