9月10日、待ちに待った「第9回パテ・クルート選手権」の決勝戦を観戦してきました。このイベントは、フランスの伝統的な料理「パテ・クルート」の技術を競う、フレンチ料理界の重要なイベントです。パテ・クルートとは、肉や魚、フォアグラなどの具材をパイ生地で包み、オーブンでじっくり焼き上げた一品。 フランス料理の中でも、特に手間がかかる料理の一つとして知られていて、各シェフが独自のレシピや技術を駆使し、見事なパテ・クルートを完成させ、その完成度や美しさ、味わいが審査される大会です。
日本シャルキュトリ協会について
今回の大会を主催した「日本シャルキュトリ協会」は、フランス料理の技術や文化を日本で広め、シャルキュトリ(ハムやソーセージなどの加工肉製品)の普及と発展を目指す団体です。フランス料理を通して日仏の文化交流に継続的に貢献しています。
審査結果と見どころ
会場は、彼らの技と情熱が詰まったパテ・クルートの香りに包まれ、どの作品も食欲をそそるものでした。
優勝は、帝国ホテル「レセゾン」の真野シェフが受賞。 彼のパテ・クルートは、味わいの奥深さとパイのサクサク感、そして具材のバランスが見事に調和し、審査員たちの高い評価を得ました、準優勝には、千葉市にあるフランス料理店「ルクール」の石本シェフが輝きました。 石本シェフのパテ・クルートは、独自の感性と技術が光る逸品で、特に具材の組み合わせの妙が素晴らしく、審査員からも絶賛されました。
この大会で優勝、準優勝を果たした真野シェフと石本シェフには、12月にフランス・リヨンで開催される世界大会への出場権が与えられ、今後の活躍がさらに期待されます。個人店「ルクール」の石本シェフが、名だたるホテルの総料理長やミシュラン店のシェフを抑えて2位に輝いたというニュースは、私たちの地元千葉の多くのシエフに衝撃を与え大きなニュースとなりました。『ルクール』さんは千葉ではすでに大人気ですが、これを機にますます予約が取りにくいことは間違いありません。
レセプションでの贅沢なディナー
授賞式の後は、豪華なレセプションが行われました。受賞者のパテ・クルートをはじめ、フランスや日本の有名シェフたちが語る自慢の一品に新作料理が振舞われ、参加者はなんとも贅沢なディナーを楽しむことができました。
当日のメニュー紹介
レセプションのメニューは圧巻の品揃え。決勝進出者たちのパテ・クルート12種はもちろんのこと、その他の料理も珠玉の一品揃いました。
- タヴィド・アレシェフによるシャルキュトリ
- 仔豚のポルケッタ(アニスとピスタチオ風味)
- フォアグラとイチジク、シャルトリユーズノストラート
- ラングスティーヌのクネル
- ブレス鶏のメロン仕立て(ハーブと椎茸風味)
- ホタテ貝のブータン(トリュフ風味)
- アンドゥイエット5A
- プルーンのタルトやレモンのタルトなどのデザート
それぞれの料理が持つ豊かな風味、そしてそれぞれに工夫が施されたプレゼンテーションには、驚くばかりでした。このような贅沢な料理を目の前にして、夢のような時間を過ごすことができました事は、料理ファンとしても忘れられない経験です。
そして石本シェフのように大きな夢をかなえたシェフと同じ空間を共有できたことに、心から感謝しています。12月の世界大会でも、ぜひ日本勢の活躍を期待したいですね。